NY金先物の証拠金上げ、相場への影響は一時的か

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WSJ日本版
2011年 8月 12日

世界最大の金先物取引所であるニューヨーク商品取引所(COMEX)は11日、金先物の証拠金を22%引き上げた。

しかしアナリストたちは、この措置が、銀に対して今年春に証拠金を引き上げた際と同様の相場変動効果を上げる公算は小さいとみている。「悪魔の金属」と呼ばれる銀は、証拠金引き上げのあと7日間で相場が3分の1下落した。

金相場は世界の金融市場の混乱を受けて7月初め以降、オンス当たり300ドル以上、約21%上昇した。11日には現物市場で1814.89ドルの過去最高値を付けた。一部アナリストは今後の相場予測を上方修正し、年末までに2500ドルにまで上昇するとみている。COMEXの最期近限月(8月限)は10日夜、1813.50ドルの最高値を付けていた。

こうした急騰を受けて、COMEXの親会社である米大手先物取引所CMEグループは、最も取引の多い金先物「COMEX100金先物」の証拠金を引き上げた。これを受けて金相場は11日に反落し、8月物は1748.80ドルと、前日比32.50ドル(1.8%)安で終了した。

証拠金引き上げを受けて、市場の熱気は若干冷えた。だが、アナリストらは、高騰の一服局面は一時的である公算が大きいとみている。

例えばUBSのアナリスト、イーデル・タリー氏は「金相場の修正局面入りのリスクは高いとみているが、修正の度合いは銀相場について4、5の両月みられたように大きくはないだろう」と語った。

もし金の証拠金がさらに引き上げられれば、銀の過去の相場変動のような動きになるかもしれない。

COMEXの金の証拠金は1月20日以降、引き上げられていなかった。しかも金の証拠金は1800ドル前後という現在の相場水準で計算してわずか3%程度にすぎない。

これとは対照的に、CMEは銀の証拠金を4月26日から5月5日までの間に5回、計84%引き上げた。4月26日の最初の引き上げは9%で、投げ売りを誘った。

そもそも銀と金との市場の反応の違いは、おのおののファンダメンタルズ(需給要因)の違いに起因する。銀が4月にオンス当たり50ドル近くに急騰し、わずか6週間で35%前後上昇した際、「それはほとんど投機的な、群集心理的な上昇だった」と、タリー氏は指摘している。

■WSJ日本版
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/node_288597